「生きててよかった」The Yellow Monkey さいたまスーパーアリーナ セットリスト 感想

The Yellow Monkeyがそこにはいた。泣いた。リアルに5回くらい泣いた。

座席は400レベルの最後方で、一挙手一投足までは見えなかったけど、全体を見渡すことが出来たし、なによりステージから発せられる彼らのオーラが、圧倒的にイエローモンキーだった。ロビンが、ヒーセが、アニーが、エマがそこにはいた。幻では無かった。とりあえず白コートのエマを人間国宝にすべき。以下ネタバレ。

  1. プライマル。
  2. 楽園
  3. Love Communication
  4. LOVE IS ZOOPHILIA
  5. A HENな飴玉
  6. Tactics
  7. LOVERS ON BACKSTREET
  8. 薔薇娼婦麗奈
  9. 球根
  10. カナリヤ
  11. HOTEL宇宙船
  12. 花吹雪
  13. 空の青と本当の気持ち
  14. ALRIGHT
  15. SPARK
  16. 見てないようで見てる
  17. SUCK OF LIFE
  18. バラ色の日々
  19. 悲しきASIAN BOY
    アンコール
  20. Romanist Taste
  21. BURN
  22. BRILLIANT WORLD
  23. WELCOME TO MY DOGHOUSE
  24. JAM

プライマル。

この曲から始まることは配信で分かっていたけれど、シルエットに浮かび上がるヒーセやエマの動きを見て、イエローモンキーだ!という実感。幕が下りてビジョンが映るが、そのビジョンですら、遠い!w

楽園

プライマルよりもこの曲にぐっと来てしまった。個人的にスプリングツアーのオープニングの名演が大好きで、ヒーセのうねるベース、アニーのダイナミックに跳ねるドラム、そしてエマ屈指のソロ、ロビンの「愛と勇気と絶望をこの両手いっぱいに」という私が吉井の歌詞で最も好きなフレーズを高らかに宣言するこの曲が聴けて、ここで涙が溢れた。吉井ソロでも何回か聞いているけど、やっぱりぜんぜん違う、イエローモンキーのグルーヴがここにあった。

Love Communication

からの雪崩れ込み最高潮! 両翼に飛び出したヒーセとエマ! そう、ソロではなかったこの光景、動き回るベーシストとギタリスト! コールアンドレスポンス、サビで観客はワイパー。夢のようだ。もう、すでにお腹いっぱいという気がしてきた。

Love is Zoophilia

マイナー曲きた! この曲はパンチドランカーツアーに組み込まれていたのが印象的。だが個人的にライブで見たことはなくライブ音源もわりと最近までリリースが無かったレア曲。こう言う曲をぶち込んでくるのもうれしい。もっとマイナーな曲聴きたい!

ここでMC。なんだかもう彼らは「どうもイエローモンキーですがなにか?」と言わんばかりの当たり前さを漂わせてきている。こっちは初めてなんだけど! でも演奏された曲の圧倒的な説得力に若干どうでも良くなっている。次行ってみよう。

A HENな飴玉

「レッツゴー!」きたあああああ! 吉井の変な踊り、やっているようだが遠くでよく見えない、若干控えめな気もする。がエマの妖しいギターフレーズはキレッキレ、リズム隊も太い一体感。最高。バックピース(見えない)。

Tactics

イントロのライブアレンジの長いコールアンドレスポンスが嬉しい。ロビンの声もすごく出ている。ヒーセのベースがまたよい。サビ以外のメロの部分はヒーセに委ねるところが多いんだイエモンの曲は。

Lovers on Backstreet

ここに来て早くも吉井が12弦ギターを担いだ。その時点でこの曲だということは察しがついた。この曲が本当に聞きたかった。一番好きな曲と言ってもいいかもしれない。この曲にはアニーのドラムの四十八手が詰まっていると思っている。アニーのドラムは絶対に走らない。走らないドラムが悪いとも限らないが、これがアニーのドラミング。そして他のメンバーががっちりとかみ合ってすごい一体感を作っている。この曲が聴けてもうこの世への未練は半分くらい無くなった。

薔薇娼婦玲奈

まさかの! この曲は今回のライブでも個人的ハイライトの1曲だった。こうゆうお茶の間で流せない楽曲が大事だ。翌日のめざましテレビでは絶対に放送できない。何と言ってもエマのソロ。その前のヒーセソロでは隣のヒーセファンの方が「ヒーセ!」と叫んでいたが、その後のエマソロになだれ込んだ後はもう絶句して見守るしかないような圧倒的な格好良さ。「あ・・・ぁ、あぁ・・・」という声にならない声を発しながら目から水が。

球根

そしてさらにエマのソロから始まるこの曲。このソロには15年間のエマの人生が凝縮されているかのようだった。エマが作ってきた作品、見て見てきたこと、震災、色々な想いがプレイに凝縮されていた。圧倒された。そしてその後の4人の鬼気迫る演奏。

カナリヤ

この曲を初めて聞いた時、私はまだ19になっていなかった。「悲しみが欲しいのはなぜ?」今は悲しみは全く欲しくない。活動休止前の淡い感情が色々と溢れてくる曲。

HOTEL宇宙船

これもかなり聞きたかった曲。彼らのエロさと陽気さと怪しさがポジティブに爆発する曲。もうちょっと近くで見たかった。遠くてもオーラは充分に伝わった。「ホテルさいたまなんとか」って変えてたけどただのラブホじゃねーか!

花吹雪

これ。私が最も好きな曲。さっきも言った気がするけどこれが最も好きな曲なの! 本当に本当に大好きでずっと聞きたかった。この曲はギターのリフが控えめな分、リズム隊が本当に心地よい。刻まれるリズムにずっと身を委ねていたい。そこに歌謡的な吉井のメロディと最高にセンチメンタルな詩が乗る。さいたまスーパーアリーナで夢の中へ陶酔。最後のキーボードもよかったよ鶴ちゃん! イエローモンキーの魅力の半分はエロで出来ているが、直接的なエロよりも、こうゆうセンチメントなエロが素晴らしいんだよ。だよ。

空の青と本当の気持ち

はい。来ました。大号泣。いつのまにかエマが空色のレスポールに持ち替えていた。それがスクリーンに写った瞬間、「あぁ・・・」そしてそして、エマ史上No.1、いや日本のロック史上最も素晴らしい名ギターソロが演奏され、「ああああああああぁぁあぁああああああ(T_T)」昇天。そしてロビンはよこであの十字架ポーズをしている。スクリーンに写った表情は真顔。うわああああああああ。なんだろう、ロックって真面目にやんないと絶対ダメだとおもうの。バカなことも真面目にやる。ふざけてるな、冷めてるな、とというのが見えた瞬間にもう終わり。そしてアウトロのかき鳴らすエマのギター。手が凄く複雑な動きをしていて驚く。プレイが進化している! そんな感動もありさらに号泣。

ALRIGHT

ここで小休止。映像が流れる。この映像はうんうん、いいんじゃないという感じで普通に座って休憩。空の青の余韻がすごすぎてそれでころではなかった。そしてALRIGIT!待望の新曲。新曲が最高なバンドって最高じゃん。最高なんだよ実際。もっと新曲聴かせてくれよー! あ、ペンライトも一応買って振ってみた。この曲がイエローモンキーが過去の存在じゃなく現在進行形なんだということを証明してくれる。

SPARK

この曲もね、正直ソロで一番聞いたかもしれないイエモン曲で、正直食傷気味・・・とか思いながらやっぱりサウンドが圧倒的にイエローモンキーでぜんぜん違うのよね。そしてソロで聴いたSparkに圧倒的に不足してたものはなんだか分かる? そうだよね、ヒーセの「Are you ready to spark?!」のシャウトだよね。それが聴けてテンション爆上げ。あとなにげにアニーのオカズが増えていたのをドラムコピーしていた私は聞き逃さないのであった。

見てないようで見てる

この曲、正直言うと単調でわりと興味薄めの曲だった、なんて思っててごめんなさい。単調なだけに4人のサウンドの破壊力が研ぎ澄まされる曲なんだよね。コールアンドレスポンスも楽しいし、アニーのもとに皆が集まってお互いを見つめ合いながら楽しそうに演奏している姿、これが本当に大事。ブラウン管風味の映像の演出がSicksツアーの頃を彷彿とさせてよかった。

Suck of Life

ババン! この曲が来ない訳はないと思っていたので驚きは無かったが、それでも最高だった。ロビン、エマの絡みについては一旦置いておこう。この曲のサウンド、グルーヴは最高にイエローモンキーなんだ。グラム。そして絡み。男子があの絡みをどう見ているの?という疑問がTwitterで飛び交っていたけども、なんていうか彼らはグラムロック、両性具有なんですよ。男であり女ではないが何か違う生き物なの。オカマではないんだけど特殊な性を持った存在なんで待ってましたという感じなんです。絡みをちゃんとやってくれて嬉しかった。ヨボヨボのおじいちゃんになるまでやってほしい。そしてソロコーナーがめちゃめちゃ長くなっていたw アニーのプレイは全く聞いたこと無い変幻自在さでボンゾのソロかという聴き応え。エマのプレイは心なしかエアロスミスっぽいフレーズにエマの指差しビーム何往復ですかごちそうさまです。ヒーセはMCが聴けてうれしい。もっと喋ってくれていいんだよ。

バラ色の日々

このブログで書いたことだけど「俺達がいつか帰ってくるときに」と言ったことについてMCでふれていた。が、正直何言ってたかよくわからんかったw わからなかったというか個人的にもうどうでも良くなっていた。彼らがイエローモンキーというものの価値を再認識して再び進もうと決意して「もう一生解散しない!」と高らかに宣言した。そのことで充分だったからだ。一生解散しないなんて誰が言い切れるものか、と思うけれどそうゆう思いになってくれたのならもう何も望まない、ずっとついて行くだけだ。そして皆でイントロを合唱した。その後の4人の演奏。ヒーセの中でも最高峰のベースプレイにエマのギターには情感豊かで最も変化を感じた。俺たちはBelieverだ!

悲しきAsian Boy

そしてこの曲。ソロでもなんだかんだ色々曲をやっていたけれど唯一聴けなかった重要曲。例の電飾はなんと、ディスプレイ!若干・・・しょぼいww でも途中から色んな色に変わった! 最新式w この曲も本当に最高なイエローモンキーグルーヴ。終盤、エマとヒーセが中央に来てプレイする光景も見れた。最後例のシャウトは「Are You No.1 Rock’n’Roll Asian The Yellow Monkey!」だった。正直「We are No.1 Rock’n Roll Band The Yellow Monkey」って言って欲しかったけど・・・いつかそうゆう日は来るのだろうか。

アンコール

Romantist Taste

まさかやってくれると思わなかった!サービスし過ぎじゃないの!この曲は吉井ソロで聴いた時に本当に感動したけれど、イエローモンキーでもサラッとやってくれた。でもやっぱりイエローモンキーなんだよね。これ何回言ってるかわからないけど、やっぱりイエローモンキーなんだよね。

BURN

ここで来たか。詰め込んでいく! この曲も本当に聞きたかった。最高のヒット曲が最高のクオリティの曲なの素晴らしいよね。リズム隊も最高だし、エマも最高だし、吉井はもう伝統芸能の領域のエロさ。

BRILLIANT WORLD

これは意外な選曲だけど、今聞くとものすごくハマる。当時は活動休止があってなんだかモヤモヤとした気持ちで正面から聴けなかった。クラスのイエモンをあまり知らない女子に「いい曲だよね」と言われたことがあったのだが、「けっ、こんな曲よりいい曲いっぱりあるわ」と思った記憶があったんだけど、15年経った今聞くと、めっちゃいい曲!! 15年間の色んな思いがここで浄化した気がする。

Welcome to my doghouse

この曲が来ることも分かっていた。ちょっとスーパーな野良犬。ここに来てヒーセがベースを逆さまに置いて野獣の表情で煽ってきた!うぉ!ヒーセ!そのヒーセ、もっとちょうだい! ギャルおじさんばかりじゃないんだね! 東京ドームで最後に聞いた曲。ヒーセのソロに突入した時の鬼気迫るプレイが凄まじかった。ベースの壁が津波のように押し寄せてきた。そしてむせび泣くエマのギター。ロビンの遠吠え。よかったイエローモンキーが聞けた。生きててよかった。

JAM

そしてそしてもう一曲やるという。となったらこの曲しか無い。最後の最後に東京ドームで聞いたこの曲。途中で演奏が終わってしまい「ずっと歌ってください」とロビンの一言。それを聞いたまはらだ少年のリアクション、「はぁ!?」だった。ふざけんなよなにいってんだ、くらいの感情が湧き上がったことを覚えている。あの日のJAMは悲しさと混沌とめちゃくちゃな感情が渦巻いたものだった。それが今日のJAMはというと、本当に幸せな空間だった。ここにいる観客、メンバー全員が、幸せな時間を共有しているかのようだった。みんな生きててよかったね、とおでこをなであうような。夢のなかでいるようだった。

最後、終わった後、メンバーが皆と戯れるコーナーが用意されていて、最後の最後にアニーがマイクを取った。

「みんなに言われて、すごく嬉しい言葉がひとつあって――『生きててよかった』ってやつ。俺も、生きててよかった。生まれてきてよかったです。今日は本当にありがとう! 大好きだよ!」と言って去っていった。

その言葉そっくりそのままお返しするよアニー。

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